【実践編】偏りを整える「ウェルビーイング・バランス」

「頑張りすぎて疲れてしまうのは、あなたの価値観が『偏っている』からかもしれません」

私たちは無意識のうちに、自分の得意な価値観(トップ5)ばかりを使って生きています。 「誠実性(達成・責任)」が高い人は、つい仕事を詰め込みがちですし、「協調性(調和・奉仕)」が高い人は、つい他人の顔色を伺ってしまいます。これらは素晴らしい長所ですが、過剰になるとバーンアウト(燃え尽き)の原因になります。

このワークでは、今の自分に不足している「心の栄養素(ビタミン・カード)」を見つけ出し、意図的にバランスを整えるための行動計画を立てます。性格を変えるのではなく、行動の選択肢を増やすための「人生の処方箋」づくりです。

🕰 所要時間・人数

  • 時間: 60分〜90分

  • 人数: 1名〜(コーチングや、キャリア研修の締めくくりに最適)

📝 準備するもの

  • ラシク・価値観カード(1人1セット)

  • ワークシート(行動計画表)

  • (事前準備)基本編で選出した「トップ5」カード

🚀 ワークの手順

STEP 1:シャドウ(影)の確認

自分の「トップ5」カードを並べ、それが**「行き過ぎた場合」の弊害**について考えます。

  • 例:「責任(誠実性)」が行き過ぎて、休日に休めていないのではないか?

  • 例:「受容(協調性)」が行き過ぎて、嫌なことを断れていないのではないか?

今の生活で「苦しい」「窮屈だ」と感じている部分があれば、それは特定の価値観への過剰適応かもしれません。

STEP 2:ミッシング・リンク(欠けている要素)を探す

基本編で「選ばなかった(重要度が低いとした)」カードの山をもう一度見てみます。 特に、自分のトップ5に含まれていないビッグファイブのカテゴリー(色やマーク)に注目してください。

  • トップ5が「仕事・達成(誠実性)」ばかりの人

    • → **「遊び(開放性)」「休息(情緒安定性)」**のカードが捨てられていませんか?

  • トップ5が「冒険・変化(開放性)」ばかりの人

    • → **「計画(誠実性)」「継続(誠実性)」**が不足していませんか?

STEP 3:ビタミン・カードの選定

捨てられた山の中から、今の自分のバランスを整えるために**「あえて取り入れたいカード」**を1枚だけ選びます。これを「ビタミン・カード」と呼びます。 直感的に「今の自分に必要だ」と感じるものや、少し耳が痛いけれど重要なものを選んでください。

STEP 4:スモール・アクションの設計

選んだ「ビタミン・カード」を生活に取り入れるための、具体的で小さな行動を決めます。 いきなり性格を変える必要はありません。「実験」として行動してみるのがポイントです。

  • 宣言例:

    • 選んだカード:【余白(情緒安定性)】

    • 今の課題:スケジュールを詰め込みすぎて常に焦っている。

    • アクション: 「毎週水曜日の夜は、スマホの電源を切って1時間だけ読書をする」

    • 選んだカード:【自己主張(外向性)】

    • 今の課題:会議で意見が言えず、後悔することが多い。

    • アクション: 「次の会議で、最初に『賛成です』の一言だけでも発言する」

STEP 5:宣言とコミットメント

グループの場合は、選んだビタミン・カードとアクションプランを仲間に宣言します。 1ヶ月後などに「どうだった?」と確認し合う約束をすると、実行力がより高まります。


💡 ファシリテーター・アドバイス

  • 「本来の自分」に戻るわけではありません:

    • このワークは「苦手なことを克服して完璧な人間になろう」というものではありません。「利き手」ばかり使って疲労している身体を、「逆の手」も使うことで休ませよう、という整体のようなイメージです。

  • 違和感を楽しむ:

    • 普段大切にしていない価値観(ビタミン・カード)に従って行動すると、最初は強い違和感(「こんなにサボっていいのか?」「こんなに冷たくしていいのか?」など)を感じます。その違和感こそが、バランスが整い始めている証拠です。

  • 期間限定でOK:

    • 「一生これをやる」と思うと重荷になります。「まずは1週間だけ」「このプロジェクトの間だけ」と期間を区切って試してみましょう。


最高のパフォーマンスは、心身のバランスの上に成り立ちます。 「価値観カード」を使って、今のあなたに必要な要素を補給し、健やかな未来をデザインしてください。