「なぜ、あの人と私は話が噛み合わないのだろう?」
その原因は、大切にしている「正義」の種類が違うからかもしれません。 例えば、ビッグファイブにおける「誠実性(計画・秩序)」が高い人は、「まずは計画を立てよう」と言いますが、「開放性(変化・創造)」が高い人は「とりあえずやってみよう」と言います。どちらも正解ですが、議論は平行線になりがちです。
このワークでは、チームメンバー全員の価値観を一つのマップ(スペクトル)上に配置し、チームの「性格的な偏り」と「相乗効果のポイント」を可視化します。「違い」をストレスではなく、チームの武器に変える作戦会議です。
時間: 60分〜90分
人数: 3名〜10名のチーム(部署、プロジェクトチーム、経営陣など)
ラシク・価値観カード(人数分のセット)
模造紙またはホワイトボード
付箋、マーカー
(事前準備)基本編で選出した、各メンバーの「トップ5」カード
ホワイトボードや模造紙に、ビッグファイブの5つのカテゴリー(開放性・誠実性・外向性・協調性・情緒安定性)ごとの枠を書きます。 メンバーは、自分のトップ5のカード(または付箋)を、該当するカテゴリーの場所に貼り出します。
※誰がどのカードを出したか分かるように、名前を書いておきましょう。
全員のカードが出揃ったら、マップ全体を眺めて「チームの傾向」を話し合います。 カードが集中している場所(ホットスポット)と、全くない場所(空白地帯)はどこでしょうか?
対話のヒント:
「うちは『協調性』のカードが山盛りだね。仲は良いけど、誰も厳しいことを言えないかも?」
「『誠実性』ばかりで『開放性』がゼロだ。真面目だけど、新しいアイデアが出にくい原因はこれか!」
異なるカテゴリーを重視するメンバー同士で、過去に起きた「すれ違い」や「モヤモヤ」を共有します。
例:
【開放性Aさん】vs【情緒安定性Bさん】
Aさん「急な仕様変更も楽しんでほしいのに、Bさんは嫌がるよね」
Bさん「僕はリスクなく平穏に進めたいんだ。Aさんの思いつきにはハラハラするよ」
→ 結論: 相手を否定していたのではなく、「重視するOS」が真逆だっただけだと理解する。
自分にない要素を持っている人を「敵」ではなく「助っ人」として認定します。 お互いの強みを活かすための「約束(リクエスト)」を交わしましょう。
リクエスト例:
「新しい企画を出す時は、僕(開放性)がやる。でも、詰めの計画段階になったら、君(誠実性)が厳しくチェックしてくれ。その時の指摘には文句を言わないと約束する!」
「同質性」のリスクと「多様性」のコスト:
似た者同士(同質性が高い)は居心地が良いですが、死角が多くなります。逆に、バラバラ(多様性が高い)だと衝突は増えますが、カバー範囲は広がります。このワークは、後者の「衝突コスト」を下げ、「カバー力」を最大化するためにあります。
空白地帯をどうするか?:
もしチーム全体で「誠実性(計画・管理)」のカードが1枚もない場合、プロジェクトが炎上するリスクがあります。「意識的にその役を演じる人を決める」か、「その得意な人を外から連れてくる」などの対策を話し合いましょう。
レッテル貼りに注意:
「君は情緒安定性が低いからダメだ」という評価には絶対に使わないでください。あくまで「今、何を大切にしたいと感じているか」という志向性の違いとして扱ってください。
「あの人が細かいことを言うのは、チームのリスク管理をしてくれているからだ」 そう思えた瞬間、チームの景色は変わります。個性のデコボコを噛み合わせ、最強のチームを作りましょう。